平出遺跡とは
平出遺跡(ひらいでいせき)とは、塩尻市にある縄文時代から古墳・平安時代にかけての大集落遺跡で、日本三大遺跡のひとつにも数えられます。平出の泉から流れる渋川に沿って東西1km・南北300mの範囲に渡って広く分布しています。遺跡からは、現在までに290を超える竪穴住居跡や掘立柱建物跡、それに伴う多くの土器、石器、鉄器類が発掘されており、各時代を解明する重要な遺跡であることから国の史跡に指定されています。
遺跡の中心にあたる約56,000m2を公有化して整備した平出遺跡公園は、縄文・古墳・平安の各時代に渡る遺跡の特徴を生かして、それぞれの時代の集落景観を復元しています。
平出遺跡公園
縄文の村
真夏の太陽が強く猛暑日予想の週末、平出遺跡を訪問です。縄文時代から古墳・平安時代にかけての大集落遺跡は、日本三大遺跡にも数えられ、国の史跡にも指定されています。
まずはガイダンス棟の前にある縄文の村(集落エリア)です。縄文時代で最も栄えた中期(約4,500~5,500年前)の住居跡が116軒見つかっています。
縄文時代の村(約5,000年前)
住居の内部はこんな感じ、真夏でも住居内は涼しいですね。
こちらは立石(りっせき)、縄文の村の広場中央付近から見つかった川原石とのことです。
集落エリアの東側にある廃村エリア、村人が去った後の住居跡群が復元されています。
大量の土器や石器などが発掘された住居跡です。2つの住居跡には、発掘時の様子がレプリカ(複製品)で表されていますよ。
古墳時代の村
縄文の村の西側にある古墳時代の村、80軒以上の住居跡や建物跡が見つかっています。こちらでは当時の有力者の家と考えられる大型住居や高床式倉庫、周囲にはモモ園や林を復元して6世紀末~7世紀初頭の農村の様子が再現されています。
古墳時代の村(6世紀末~7世紀初頭)
縄文時代よりも住居の規模は大きめで、内部には竈(かまど)が設けられていますよ。
昭和57年(1982年)の発掘調査で発見された古墳時代の竪穴住居を復元したものです。時代を感じさせる雰囲気がありますね。高床式倉庫など古墳時代の景観は学生時代に社会の教科書に出てきたことを思い出します・・・
平安時代の村
平出遺跡公園の最も東側にある平安時代の村、50軒以上の住居跡や建物跡が見つかっています。こちらでは複数家族の家並みが復元されており、周囲を畠や林が取り囲む11世紀前半の農村風景が再現されています。
平安時代の村(11世紀前半)
住居内部は時代によって様々ですね。
ガイダンス棟
ガイダンス棟には、ガイダンスコーナー・休憩コーナー・展望室(2階)などがあります。また、「火起こし」「勾玉づくり」「弓矢飛ばし」「土器づくり」などの古代体験学習も実施されており、子どもたちに人気のスポットです。
※入館料:無料(古代体験は一部有料)
平出博物館
平出遺跡公園から南西方向に約10分の場所に平出博物館があります。館内には4つの展示室があり、県宝に指定される緑釉水瓶や紫宮銅鐸、菖蒲沢瓦塔(日本最大の瓦塔)など平出遺跡をはじめ塩尻市内の遺跡から発掘された土器や石器、民俗資料などが展示されています。
※入館料:大人300円(中学生以下無料)
周辺観光スポット
長野県の天然記念物に指定される樹齢1000年の贄川のトチ↓
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江戸時代の面影を残す風情ある町並みが魅力の奈良井宿↓
※車で約30分
駐車場
平出遺跡駐車場
平出遺跡の少し手前を通る県道305号沿いに駐車場があり、10台以上は停められる広いスペースが整備されています。今回訪問した際は、こちらの駐車場の存在を知らなかったため、ガイダンス棟付近の駐車場に停めました。
補足情報・アクセス
住所 長野県塩尻市宗賀
アクセス 車 塩尻I.C.より10分
塩尻北I.C.より20分
徒歩 JR塩尻駅より20分
駐車場 あり
料金 大人 300円(平出博物館)