諏訪大社とは
諏訪大社
諏訪大社(すわたいしゃ)とは、諏訪湖周辺に4箇所の境内地を持ち、上社(本宮、前宮)と下社(秋宮、春宮)の二社四宮からなる神社です。信濃國一之宮、神位は正一位(神社に与えられる神位の最高位という意味)で、全国各地にある約25,000社の諏訪神社の総本社であり、国内にある最も古い神社のひとつです。
また、社殿の四隅に御柱(おんばしら)と呼ばれる大木が建ち、本殿と呼ばれる建物がないのが諏訪大社の特徴で、上社は神体山・下社は御神木を御神体としています。
諏訪明神は古くは風・水の守護神で五穀豊穣を祈る神、また武勇の神として広く信仰されてきました。現在では生命の根源・生活の源を守る神として多くの方々が参拝に訪れます。諏訪に鎮座する神々(二社四宮)を巡る四社まいりがおすすめです。
下社春宮
下社春宮(しもしゃはるみや)とは、諏訪湖北側の旧中山道沿いに鎮座する諏訪大社のひとつです。社頭から約800m伸びる直線道路はかつては春宮の専用道路で、多くの武士が流鏑馬(やぶさめ)を競った馬場と伝えられています。途中の御手洗川に架かる下馬橋は室町時代の建立で(建築様式は鎌倉時代)、下社では最も古い建造物です。
社殿は神楽殿の奥にあり、二重楼門造りの拝殿と左片拝殿・右片拝殿が並びます。拝殿奥の神明造りの建物が宝殿、さらにその奥が御神座(相殿)といわれ、御神木が祀られる下社で最も重要な場所です。春宮では杉の木を御神木としています。
幣拝殿、左右片拝殿は国の重要文化財に指定されています。
下社春宮
下馬橋
大門通りの中央に位置する下馬橋(げばばし)、春宮参拝の祭には殿様でも駕籠や馬から降りなければならない場所であったため、このように名付けられたようです。
現在でも住宅街の道のど真ん中に残る貴重なものですよ。
鳥居
大門通りを上っていくと鳥居が見えてきます。
手水舎
鳥居の手前左側にある手水舎、他の諏訪大社と違ってシンプルな外観ですよね。
神楽殿
参道沿いの両脇には狛犬が構えます。
神楽殿(かぐらでん)、下社秋宮と同様に正面に飾られる大きな注連縄が印象的ですね。
結びの杉、二又に分かれている先端部分が、根元では一つになっていることから縁結びの杉といわれています。
御柱
春宮一之御柱、長さ17m、直径1mの樅の木です。
霧ヶ峰高原に続く東俣国有林で伐採されて、数千人の氏子により曳き出されたものです。
幣拝殿
幣拝殿と左右片拝殿のみで本殿を持たない諏訪造りといわれる独特の様式で、いずれも国の重要文化財に指定されてます。
下社秋宮にも同じような幣拝殿と左右片拝殿がありますが、秋宮は立川流、春宮は大隅流という流派の異なる宮大工によって、同じ絵図面で技を競うように建てられたそうです。
下社秋宮と比較すると幅が短く、屋根は片切りになっているとのことですが、気品と風格を感じさせる姿は変わらず見事ですね。
気品と風格を感じさせる幣拝殿と左右片拝殿
幣拝殿に施されている彫刻も見事ですよ。飛竜、唐獅子、牡丹、竹、鶏など名作がずらり。
万治の石仏
下社春宮境内の左手にある道から万治の石仏を目指します。
赤い橋の先にあるのが浮島で、ここはどんな大水でも決して流されないことから諏訪七不思議のひとつに数えられています。
浮島の先の道を少し進んで行くと万治の石仏が構えています。
「万(よろず)のことが治(おさまる)」を「ばんじ」と読み、物事をばんじまるく治めて、願いを聞いてくれるありがたい石仏として、広く信仰を集めています。
芸術家の岡本太郎も愛して止まず、この石仏を拝むために何度も訪れたようです。
芸術家の岡本太郎も愛した万治の石仏
お参りの仕方↓
一、正面で一礼し、手を合わせて「よろずおさまりますように」と心で念じる。
二、願いごとを心で唱えながら石仏を時計回りに三周する。
三、正面に戻り「よろずおさめました」と唱えてから一礼する。
御柱祭
御柱祭とは、7年に1度(寅の年、申の年)に行われる神事で、正式名称は式年造営御柱大祭です。宝殿の造り替え、また社殿の四隅に御柱と呼ばれる大木を曳建てる諏訪大社の中で最も重要な神事とされています。
1200年以上に渡って受け継がれてきた御柱祭は、諏訪地域の約20万人の氏子が参加する天下の大祭です。また、日本三大奇祭のひとつとしても知られています。
下社の山出し祭で最高の見せ場が木落しです。多くの氏子がまたがった大木が、傾斜角45度にもなる急坂(木落し坂)の頂上から100mを一気に引き落とされる豪快さは見事です。
四社まいり
諏訪大社の二社四宮(上社本宮、上社前宮、下社秋宮、下社春宮)を参拝することを四社まいりといいます。それぞれに格の優劣はなく、回りやすい順番で参拝すれば大丈夫です。
以下ルートを参考にしていただければと思います。
- 諏訪I.C. ~ 上社前宮→上社本宮→下社秋宮→下社春宮
- 岡谷I.C. ~ 下社春宮→下社秋宮→上社本宮→上社前宮
国の重要文化財が多く残る上社本宮↓
※車で約25分
諏訪信仰発祥の地と伝えられる上社前宮↓
※車で約30分
大きな注連縄と青銅製日本一の狛犬が見事な下社秋宮↓
※車で約5分
周辺観光スポット
杉並木沿いの苔参道や庭園が美しい慈雲寺↓
※車で約3分
続日本100名城に選定される高島城↓
※車で約15分
駐車場
下社春宮周辺の駐車場は1箇所のみで、県道184号(大門通り)右手にある大門郵便局の奥が駐車場となります。駐車場は一方通行で、郵便局の北側(春宮側)が入口、南側(下馬橋側)が出口ですので、ご注意ください。
補足情報・アクセス
住所 長野県諏訪郡下諏訪町
アクセス 車 岡谷I.C.より15分
諏訪I.C.より25分
徒歩 JR下諏訪駅より20分
駐車場 あり
料金 なし