牛伏川フランス式階段工とは
牛伏川フランス式階段工(うしぶせがわふらんすしきかいだんこう)とは、松本市の山間にある大正7年(1918年)に完成した治山治水の施設です。水路の長さは約141m、落差は50mであり、階段状(19段の階段式流路)になっているのが特徴です。
牛伏川流域は、江戸時代中期以降度重なる水害を繰り返しており、明治18年(1885年)から国の近代砂防工事が開始、明治31年(1898年)からは長野県に引き継がれました。内務省技師の池田圓男が、フランスのサニエル渓谷の階段工を見本に設計指導して、水路の石積みを階段状に配することで流れを緩める工法が取られています。
また、四季折々の自然と調和した美しい水路は、国の重要文化財にも指定されています。
牛伏川フランス式階段工
見学コース
こちらには3種類の見学コースが整備されています。
- 見学Ⅰコース
→牛伏川フランス式階段工を巡る
→高低差45m、往復30分 - 見学Ⅱコース
→牛伏川フランス式階段工や堰堤を巡る
→高低差175m、往復100分 - 鉢伏山への登山コース
→牛伏川フランス式階段工や堰堤、地獄谷、石切場を巡る
→高低差635m、往復4~5時間
今回は「見学Ⅱコース」を選定、筆者は歩くのが早いため上記設定より時間は短いです。
- 歩きやすい運動靴
(山道、坂道などあり) - 軽食、飲料水の持参 ※登山コースの場合
フランス式階段工
青空に少しずつ雲が増えはじめた昼過ぎ、牛伏川フランス式階段工を訪問です。
水路の長さは約141m、落差は50m、19段の階段式流路が見事です。空石積みと呼ばれるコンクリートを使わない日本の伝統的な石積技術が使われているようです。
フランスのサニエル渓谷の階段工を基に施行されたとのこと、芸術的で美しいですね。国の重要文化財にも指定されています。標高975m、新緑の季節には少し早いかも・・・
国の重要文化財・牛伏川フランス式階段工
悪沢合流点に残された岩山の頂上に、大正天皇御即位を記念した石碑があります。
内務省堰堤
内務省第2号堰堤です。ちなみに第1号堰堤はフランス式階段工の場所にあります。
内務省第3号堰堤です。
内務省第4号堰堤です。写真は撮っていませんが、第5号堰堤も別の場所にあります。
杉の沢5段堰堤
松建小屋横の水路を上っていきます。
こちらは杉の沢5段堰堤です。
周辺の至る所に可憐な白い花が咲いていますよ。休日の昼過ぎでしたが、散策している方は2~3名と少なく、のんびりと過ごすことができました。
張石水路もコンクリートを使わずに空石積みで造られています。
石積の上を水が流れる水路というより、暗渠(地下に設けた水路)としての役割があって斜面の崩壊を防止しているとのことです。張石水路は周辺に何箇所も見られますよ。
空石積みで造られた張石水路
周辺観光スポット
古くから厄除霊場として県内外に広く知られ、数多くの文化財も残されている牛伏寺↓
※車で約3分
駐車場
連岳橋駐車場
牛伏川フランス式階段工の手前にある連岳橋横に20台ほど停められる駐車場があります。さらに上流側にも数台が駐車可能です。休日の12時頃、駐車場は6割ほど埋まっていました。キャンプ目的で訪問されている方が多い印象です。
補足情報・アクセス
住所 長野県松本市内田
アクセス 車 塩尻I.C.より20分
塩尻北I.C.より20分
駐車場 あり
料金 なし