元善光寺とは
元善光寺(もとぜんこうじ)は、約1400年前の第33代推古天皇10年(602年)に本多善光により開かれました。本多善光は麻績の里(現在の飯田市座光寺)の住人で、国司に従って都に上った際に、難波の堀江で一光三尊の阿弥陀如来に巡り合い、故郷に帰って臼を浄めて安置したといわれています。この臼は、座光の臼と呼ばれてこの寺の霊宝となっています。
それから41年が過ぎ、第35代皇極天皇2年(643年)に本尊は芋井の里(現在の長野市)に遷され、そこが善光寺となりました。この際に、同じ一光三尊仏を造って祀ったため、こちらの寺は元善光寺と呼ばれるようになりました。元善光寺では、善光寺と同じく七年に一度、丑年と未年に御開帳が行われています。
善光寺は、本多善光の名に基づいていて、元善光寺の”元”は本元の意味となります。”長野の善光寺”と”飯田の元善光寺”と両方お詣りしなければ片詣りといわれています。ただ、善光寺と元善光寺は車で約2.5時間と意外に遠く、一日で両方の参拝は厳しい。。
元善光寺
石段
元善光寺の門です。石段を登るのが難しい方は、右手にある坂道を進み、裏門から本堂にたどり着くこともできます。
門前には、120年も受け継がれた伝統の味である座光寺まんじゅうのお店があります。黒砂糖の香りと上品なアンが口の中に広がりますよ。お帰りの際は是非。
山門に向かって長い石段が続きます。
山門
山門の雰囲気も良いですね。見事な門松が飾られています。
境内
山門左側にある矢場、明治39年に境内の一角を整備してつくられたとのことです。現在は年2回(春分・秋分の日)、県内外から多くの弓士が参加して射会が開催されています。
鐘楼、この鐘は平和の鐘といわれ、昭和25年に永遠の平和を祈念して当時の総理大臣をはじめ衆議院議長・各大臣の協賛によって再鋳奉献させられたものです。
色とりどりの蓮の花がとても美しいですね。
立派な客殿です。左手にある松は、枝が分かれた先で再び結合して知恵の輪のようになっていることから、知恵の松・縁結び松などといわれています。
本堂
元善光寺の本堂、堂々たる佇まいで圧倒されそうです。お戒壇巡り(無料)もできますし、ここから宝物殿や平和殿へも行くことができます。
堂々と構える元善光寺の本堂
宝物殿 / 平和殿
宝物殿には、霊宝座光の臼のほか釈迦涅槃像、鬼瓦の前身と言われる木彫りの鬼面、藤原時代の愛染明王像、その他仏像、掛軸など80点余りが展示されています。
※拝観料:大人 400円、子ども 無料
江戸前期の作とされる像長155cm・寄木造りの釈迦涅槃像は飯田市有形文化財です。
平和殿には、西国三十三番の札所の観音様が祀られており、西国三十三番の霊場お砂踏み参拝をすることができます。
お砂踏みとは、西国三十三番霊場各札所の”お砂”をそれぞれ集め、それを札所と考えて三十三ヶ所を順に巡ることで、現地を巡礼するのと同じご利益を得られるというものです。
桜の春
春には境内のあちらこちらで桜が咲きますよ。
※2022年4月4日撮影
ちょうど七年に一度の御開帳が行われていました。桜の古木もいい雰囲気ですよね。
周辺観光スポット
県宝の旧座光寺麻績学校校舎前で咲き誇る麻績の里舞台桜↓
※徒歩で約5分
国史跡に指定される飯田古墳群のひとつ高岡第一号古墳↓
※車で5分弱
駐車場
飯田I.C.から国道153号を走り、座光寺共和の交差点を左手に進みます。続いて線路を渡ってすぐ交差点を左折して少し進むと元善光寺に到着です。松川I.C.から来る場合は、南信州フルーツラインを進み、座光寺美女の交差点を左折します。そのまま道なりに進み、突き当りを右折、さらに線路手前の交差点を右折して少し進むと到着です。
駐車場は、石段手前右側にありますが、石段左手の坂道を登った先にもあります。万が一、そこが満車だった場合は、少し戻って線路手前の交差点付近にもあります。
補足情報・アクセス
住所 長野県飯田市座光寺
アクセス 車 座光寺スマートI.C.より10分
飯田I.C.より20分
松川I.C.より20分
徒歩 JR元善光寺駅より10分
駐車場 あり
料金 なし