旧小笠原家書院とは
旧小笠原家書院(きゅうおがさわらけしょいん)とは、江戸時代初期の旗本である小笠原長巨の屋敷の中で唯一現存するものです。寛永元年(1624年)頃につくられたと推定されるこの書院は、住宅としては全国で2番目に重要文化財に指定されています。
江戸時代初期の武家住宅は京都の二条城と旧小笠原家書院しかなく、全国に5000家余あった旗本のうち、屋敷が残されているのは旧小笠原家書院だけといわれています。さらに、重要文化財では数少ない屋内に入ることができる書院というのも魅力です。
また、隣接する小笠原資料館は、平成22年(2010年)に建築界のノーベル賞ともいわれるプリッカー賞を受賞した建築家ユニットSANAA(メンバーの妹島和世さんは小笠原家由来の方)の設計です。敷地の内側に向かって逆S字を描いた近未来的な形をしています。
旧小笠原家書院
駐車場から徒歩3分、大手橋を渡って敷地内に入ります。
坂道を上り、更に石段を上っていきます。
石段を上りきったところに城門、この奥に書院がありますよ。
明治5年(1872年)の伊豆木陣屋の構えです。陣屋とは、江戸時代に城を持たない下級の大名や旗本などの館や役所などのことをいいます。
この中で現存するのは④書院と⑨御宝蔵だけです。
旧小笠原家書院、歴史を感じますよね。国の重要文化財に指定されている貴重な書院です。
江戸時代の武家住宅・旧小笠原家書院
全国の重要文化財の書院はほとんどが一般に公開されていない中、こちらでは書院の中に入ることができるのが魅力です。
受付は写真右側、資料館の下にあります。
※観覧料:一般300円、小中学生150円(資料館とセット)
※休館日:毎週月曜日、祝日の翌日、年末年始
書院については、管理人の方が丁寧に説明してくれました。地元への想いを感じますね。
左奥が南一の間、江戸時代には殿様以外は入室できない部屋だったようです。そして書院には最高級の木材が使用されています。真ん中の柱の年輪は349本、逆算すると864年前の平安時代に生えたヒノキと推定されています。
平安時代に生えたヒノキでつくられた書院
南側3分の1が崖上に突き出ている懸造りは全国的にも珍しく、この書院の特徴です。周辺にはもみじが多く、鮮やかな赤に色付く紅葉シーズンが楽しみですね。
全国的にも珍しい懸造り
小笠原資料館
小笠原資料館、プリッカー賞を受賞した建築家ユニットSANAAによる設計です。
※観覧料:一般300円、小中学生150円(書院とセット)
※休館日:毎週月曜日、祝日の翌日、年末年始
こちらの建築物を見るためだけに、県内外から建築関係者の訪問もあるようです。
近未来的デザイン・小笠原資料館
ガラス張りの窓から眺める書院もいい雰囲気ですね。
小笠原家に関する系譜、武具、秘伝書などが展示されています。
苔むした幹と紅色の桜が風情を感じさせる↓
真っ赤に染まる紅葉シーズンもおすすめ↓
駐車場
旧小笠原家書院・小笠原資料館駐車場
興徳寺とJAみなみ信州三穂事業所の間、県道491号沿いに砂利の駐車場があります。10台程度は停められるスペースです。旧小笠原家書院までは徒歩3分で行けます。
補足情報・アクセス
住所 長野県飯田市伊豆木
アクセス 車 飯田山本I.C.より15分
飯田I.C.より20分
徒歩 JR川路駅より50分
駐車場 あり
料金 拝観料:一般300円、小中学生150円