慈雲寺とは
慈雲寺(じうんじ)は、下諏訪町にある臨済宗の寺院で、正安2年(1300年)に鎌倉五山のひとつである建長寺住職の一山一寧禅師を招いて開山したと伝えられています。また、臨済宗の信州筆頭であることもあり、武田信玄ゆかりの寺としても知られます。
慈雲寺は文化3年(1806年)の大火で、本堂・庫裏・宝蔵などほとんどの建物が消失してしまいましたが、その際に山門(鐘楼門)だけは焼失を免れました。再建された本堂や山門が下諏訪町の有形文化財に指定されるなど貴重な文化財が多く残ります。また、梵鐘は足利義満が将軍についた応安元年(1368年)のものです。この時代の梵鐘は作例が少ないため特に珍重されており、県宝に指定されています。
慈雲寺
参道
梅雨が明けた夏日、慈雲寺を訪問です。
杉並木に囲まれた苔参道、石畳両脇の苔がとても美しいですね。
木漏れ日を浴びた美しい苔参道
まるで緑の絨毯のようです。
参道横には下諏訪町の有形文化財に指定される日根野高吉供養塔があります。日根野高吉は豊臣秀吉の部将で、高島城を築いた築城の名手でもあるようです。
山門
慈雲寺山門、安永5年(1776年)に村田長左衛門矩重により建立された鐘楼門です。こちらも下諏訪町の有形文化財に指定されており、正面にある龍の彫刻が特に見事です。
また、内部には応安元年(1368年)に造られた県宝に指定される梵鐘がかかります。
大火による焼失を免れた慈雲寺山門
本堂
山門の先には下諏訪町の天然記念物に指定される天桂松(てんけいまつ)がありますよ。樹齢400年以上の見事なアカマツです。
下諏訪町の有形文化財に指定される本堂です。文化3年(1806年)の大火で焼失してしまい、こちらは文化5年(1808年)に再建されたものです。
帰錫庭
帰錫庭(きしゃくてい)と呼ばれる枯山水庭園が美しいですね。枯山水(かれさんすい)とは、水がない場所で石や砂を用いて水の流れを表現した日本庭園のことです。
本堂前に広がる美しい枯山水庭園
見事な庭園で、まるで京都にいるようですよね。
池泉庭園
本堂の裏側には池泉庭園(ちせんていえん)がありますよ。涼しげないい雰囲気です。
慈雲寺に来られている方は数名でしたので、ゆっくりと堪能することができました。
周辺観光スポット
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大きな注連縄と青銅製日本一の狛犬が見事な諏訪大社 下社秋宮↓
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駐車場
慈雲寺には2箇所の駐車場があります。国道142号沿いにあるのが第二駐車場、国道から参道横の道に入った場所にあるのが第一駐車場です。第二駐車場は閉鎖されているようでしたが、第一駐車場だけでも十数台は停められますので問題ないかと思います。
補足情報・アクセス
住所 長野県諏訪郡下諏訪町東町中
アクセス 車 岡谷I.C.より15分
諏訪I.C.より25分
徒歩 JR下諏訪駅より20分
駐車場 あり
料金 なし