龍淵寺とは
龍淵寺(りゅうえんじ)は、大永元年(1521年)に遠山郷の領主・遠山氏一族の墓を祀る菩提寺として建立されました。その後、遠山氏滅亡後の慶安4年(1651年)に寺基を和田城址に移しています。急な石段や荘厳な造りが歴史を感じさせます。
境内にある観音大杉の下には遠山氏一族の墓所があり、また敷地内には名水観音霊水が湧き出ています。
龍淵寺
山門
300年以上前につくられた石段、その先に山門があります。長い年月の流れもあって、石段は幅や高さが不揃いです。足を踏み外さないようご注意ください。
石段の途中、左手にある光堂。
総檜造で正面には大きな数珠があり、周りには十二支の彫り物が飾られています。写経の寺院としても知られ、現時点で20万巻が光堂に納経されているようです。
境内
境内に入り、まずは本堂の左側に手水舎。
龍淵寺の森には、渡り鳥のアオバズクがいるらしい・・・名前のとおり、青葉のころに南アジアから渡ってきて大杉の洞で営巣し、9月には親子で戻っていくようです。
龍淵寺境内に潜むアオバズクと鐘楼
本堂
本堂、右背面から日差しを浴びて静かに構えています。平穏な日々と健康を祈ります。
※順光で撮影したい場合は、夕方近くが良いかと
龍淵寺の本堂
樹齢500年の観音大杉(幹周20m/樹高50m)、飯田市の天然記念物に指定されています。
向かって右側から夫婦杉、空ちゃん、愛ちゃん、光ちゃんと名付けられており、遠山郷のパワースポットとなっています。
樹齢500年以上の観音大杉
観音霊水
観音霊水とは
平成の名水百選に選定されている観音霊水。
周辺は中央構造線、遠山赤石構造線、赤石断層の三つの断層が入り組む複雑な地形で、観音霊水は南アルプスの池口岳の水脈から、数億年前の石灰岩層(海の栄養)を何十年もかけて溶かし、湧き出ているようです。
遠山氏の時代以降、450年以上に渡って水が涸れることなく、今日に至っています。
水質データ
観音霊水は、水温14.0~15.0℃、pH8の弱アルカリ性の硬水で、炭酸水素イオンやカルシウムイオン、マグネシウムイオンを非常に多く含んでいます。
※水質評価データ詳細は以下参照
硬度 | 176.0 mg/L |
---|---|
水素イオン濃度(pH) | 7.8 mg/L |
電気伝導率(EC) | 37.0 mS/m |
カルシウムイオン(Ca2+) | 49.0 mg/L |
マグネシウムイオン(Mg2+) | 13.0 mg/L |
ナトリウムイオン(Na+) | 3.5 mg/L |
カリウムイオン(K+) | 0.7 mg/L |
炭酸水素イオン(HCO3–) | 183.0 mg/L |
塩化物イオン(Cl–) | 0.7 mg/L |
硫酸イオン(SO42-) | 34.0 mg/L |
炭酸イオン(CO32-) | 34.0 mg/L |
溶性ケイ酸(SiO2) | 1.0 mg/L |
和田城址
遠山郷土館
遠山郷土館は、南信濃村和田の街を望むかつての和田城跡地にあります。この地の領主・遠山氏の戦国時代の栄華を偲び、和田城を再現したもののようです。
※大人 320円、子ども 100円(小学生未満無料)
遠山郷土館の外にある徳川家康と遠山土佐守の対面の場です。
歴史を感じますよね。
周辺観光スポット
道の駅遠山郷の中にある温泉、かぐらの湯↓
※ポンプの落下事故により現在は地下水の沸かし湯で営業中
※車で約5分
日本のチロルと呼ばれる美しい景観、下栗の里↓
※車で約30分
駐車場
矢筈トンネルを抜けて国道152号をしばらく走り、夜川瀬の交差点を左折、遠山川に掛かる橋を渡り、突き当りを右折して少し進みます。そして、”名水観音霊水”や”和田城”の看板があるところを左折して道なりに進むと右手に駐車場があります。さらに先(行き止まり)にも駐車場のようなところがあります。
補足情報・アクセス
住所 長野県飯田市南信濃和田
アクセス 車 飯田I.C.より70分
駐車場 あり
料金 なし