隣政寺とは
隣政寺(りんしょうじ)は、高森町にある天台宗の寺院で、通称「山の寺」とも呼ばれています。天正元年(1573年)に日得上人により開山され、山吹村を治めた旗本・座光寺氏の祈願寺として崇敬を集めました。本堂前の竜の彫刻は、諏訪の名工・立川流の立木音四郎種清の作であると伝えられています。
隣政寺から900mほど手前からは哲学の路が続きます。元々は隣政寺への参道でしたが、観光に訪れる方々のために高森町が自然石の石畳を敷いて整備しました。また、哲学の路の両側には江戸時代末期につくられた石仏が参拝者を迎えます。
隣政寺
哲学の路
季節外れの集中豪雨が過ぎ去った週末、隣政寺を訪問です。
車で直接行くこともできますが、今回は石畳が敷かれた哲学の路を通って向かいます。約900mに渡り小鳥のさえずりや川の流れる音しか聞こえない心地よい空間が続きます。
緑に囲まれる哲学の路
哲学の路の両側には江戸時代末期につくられた石仏が並びます。元々は33体あったようですが、現在は20数体とのことです。
道を抜けた先にはピンク色の花が咲いています。何の花か分かりませんが、きれいですね。
山門
スッキリと晴れた青空の下、参道を歩いていきます。
参道沿いに立つスギは山の寺の山門杉と呼ばれ、幹周4m・樹高35mの巨木です。
参道の先には立派な山門が構えていますよ。
本堂
隣政寺本堂に到着、平穏な日々と健康を祈ります。
本堂は2回にわたり全焼した歴史があり、現在の本堂は明治27年(1894年)に再建されたものです。諏訪の名工・立川流を受け継いだ坂田亀吉最後の建築でもあり、高森町の有形文化財に指定されています。
名工立川流の建築・隣政寺本堂
名工・立川流の立木音四郎種清の作であると伝えられている竜の彫刻も見事ですね。
見事に施された本堂の彫刻
境内の左側には鐘楼がありますよ。
隣政寺不動堂は明治21年(1888年)に今宮郊戸神社から移築・再建されたものです。不動尊とともに蚕玉神も祀られているため蚕玉堂とも呼ばれています。
標高890mに位置し、気温が低いため古くから蚕種を預かって貯蔵していた歴史があります。この地域の重要な産業である養蚕の歴史を伝える貴重な文化財であり、高森町の有形文化財に指定されています。
自然に囲まれた境内の雰囲気がいいですね。休日の10時半頃でしたが、哲学の路で1名のカメラマンとすれ違っただけでしたので、のんびりと過ごすことができました。
月夜平大橋展望台
隣政寺から車で約5分、ハーモニックロード沿い(月夜平大橋の手前)に南アルプスを一望できる月夜平大橋展望台がありますよ。北岳・間ノ岳・仙丈ケ岳などが見事ですね。
月夜平大橋展望台から眺める南アルプス
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駐車場
隣政寺には2箇所の駐車場があります。山門の前に数台の駐車スペース、哲学の路の入口付近(ハーモニックロードから200mほど上った場所)に10台程度の駐車場があります。
直接隣政寺を訪問したい方は山門前の駐車スペース、哲学の路を楽しみたい方は手前の駐車場に停めていただければと思います。休日の10時半頃でしたが、山門前に1台のみでしたので混雑することはなさそうです。
補足情報・アクセス
住所 長野県下伊那郡高森町山吹
アクセス 車 松川I.C.より15分
座光寺スマートI.C.より15分
駐車場 あり
料金 なし